2026年「世界で最も安全な航空会社」ランキングと、飛行機の安全はどう測られるのか

Laura
2026年「世界で最も安全な航空会社」ランキングと、飛行機の安全はどう測られるのか
写真: Peter Thomas Unsplash

結論から、そして安心できる事実から始めます。飛行機は、統計上もっとも安全な移動手段です。 定期便で死亡事故に遭う確率は、1便あたりおよそ数百万分の一というオーダーで語られるほど低く、自動車での移動とは桁が違います。そして「最も安全」とされる航空会社と、ふつうの大手航空会社との差も、実はごくわずかです。つまり、この記事で扱うランキングは「安全な会社と危険な会社の線引き」ではなく、「ものすごく安全なグループの中の、さらに上位」という話だと考えてください。

まず言葉の整理から。航空の安全は、感覚ではなく監査と国際基準で測られます。中心にあるのが IATA(国際航空運送協会)の IOSA(運航安全監査) で、これは世界共通のベンチマークとされ、IOSA に登録した航空会社は非登録の会社より安全実績がはっきり良いとされています。さらに ICAO が各国の航空当局を監査(USOAP)し、米国の FAA は各国の規制当局を「カテゴリー1(ICAO 基準を満たす)」か「カテゴリー2(満たさない)」に格付けします。加えて EU航空安全リスト(規則 (EC) 2111/2005)が、国際基準を満たさない航空会社を欧州の空から締め出します。AirlineRatings のような格付け機関は、こうした IOSA・ICAO 監査・機材の平均年齢・直近5年ほどの事故/死亡記録・規制当局の評価などを組み合わせて順位を出し、2026年からは新たに「乱気流対策プログラム」も評価項目に加えました(乱気流は機内負傷のいちばんの原因です)。

2026年「世界で最も安全な航空会社」(AirlineRatings、フルサービス上位25)

以下は AirlineRatings が2026年に発表したフルサービス航空会社の上位25です。これは尊重されている一つのランキングであり、他のリストとは多少順位が異なります。また、ここに入っていない=危険、では決してありません(この点は後述します)。

順位 航空会社 順位 航空会社
1 エティハド航空 14 ANA(全日空)
2 キャセイパシフィック航空 15 アラスカ航空
3 カンタス航空 16 TAPポルトガル航空
4 カタール航空 17 SAS(スカンジナビア航空)
5 エミレーツ航空 18 英国航空(BA)
6 エア・ニュージーランド 19 ベトナム航空
7 シンガポール航空 20 イベリア航空
8 エバー航空 21 ルフトハンザ
9 ヴァージン・オーストラリア 22 エア・カナダ
10 大韓航空 23 デルタ航空
11 スターラックス航空 24 アメリカン航空
12 ターキッシュ エアラインズ 25 フィジー・エアウェイズ
13 ヴァージン・アトランティック航空

注目点もいくつか。エティハド航空が初めて1位となり、4度の首位だったエア・ニュージーランドを抜きました。米系では**アラスカ航空が最上位(15位)**で、デルタ(23位)とアメリカン(24位)も世界トップ25入りしています。そして何より、上位の差はごくわずかで、1位から14位までが4ポイント未満に収まると説明されています。順位そのものより「この一群はどれも極めて安全」と読むのが正しい受け止め方です。

格安(LCC)部門の上位には、HK Express(香港エクスプレス)、ジェットスター、スクート、フライドバイ、easyJet、サウスウエスト、エアバルティック、ベトジェット、Wizz Air、エアアジアなどが並びます。アジア発の旅行者にとっては、香港エクスプレス・スクート・ジェットスターあたりが身近な安全な選択肢になります。

なお、このリストに入っていない優良会社はたくさんあります。たとえば 日本航空(JAL)、エールフランス-KLM、LOTポーランド航空、LATAM などは、ある年のトップ25に名前がなくても IOSA 認証を受け、強固な安全実績を持っています。ランキングは2026年時点のもので、定期的に更新されることも覚えておいてください。

公式に「制限」されている側の景色 — EU航空安全リスト

「危険な航空会社ランキング」のようなものを私たちが勝手に作ることはしません。代わりに、公式の枠組みを紹介します。欧州委員会が管理する EU航空安全リスト は、2026年時点でおよそ100社以上を欧州の空から締め出しています。ただし誤解しないでください。その大半は、航空当局が ICAO の監督基準を満たしていないと判断された十数か国に登録された全航空会社を一括で対象にしたもので、加えて個別の不備が指摘された少数の会社が名指しされています。イラン航空、北朝鮮の高麗航空、エア・サービス・コモロなどは、制限つきでのみ欧州に乗り入れられる扱いです。

ここで大切なのは枠組みの意味です。これは「これらの便は墜落する」という宣告ではなく、主にその国の規制当局の監督体制に関する判断です。対象の多くは、私たちの市場の旅行者が直接予約することがまずない小規模な会社で、リストはまさに基準を満たさない事業者を欧州の空に入れないために存在します。英国(UK)も同様の独自の禁止リストを維持しています。旅行者の立場としては、見慣れない小さな会社(とくに監督の弱い地域での国内線)を予約するときに、この EU リストと IOSA 登録の有無を確認すればよい、ということです。

世界の「難所」空港 — 認定された乗務員が安全に飛んでいる

安全の話と切り離して、もう一つ人気の角度を。世界には技術的に手ごわい空港があります。ただしこれらは「危険」なのではなく、専門の訓練を受け、認定された乗務員だけが、好天の時間帯を選んで安全に飛んでいる場所です。代表例を挙げます。

  • パロ(ブータン) — 認定されたパイロットは世界に数十人ほどしかいないとされる、ヒマラヤの谷間の空港。
  • ルクラ/テンジン・ヒラリー空港(ネパール) — エベレスト登山の玄関口、短い斜面の滑走路。
  • サバ(カリブ海) — 極端に短い滑走路で知られます。
  • クルシュヴェル(フランス・アルプス) — 斜面に造られたスキーリゾートの空港。
  • トンコンティン(ホンジュラス)テネリフェ・ノルテジブラルタルプリンセス・ジュリアナ(セント・マーチン) — それぞれ独特の地形や進入経路で有名です。

これらは「怖がる対象」ではなく「敬意を払う対象」です。航空会社は最初からこうした条件を織り込んで運航計画を立てています。

ついでに「最も飛びにくい場所」のもう一つの意味、紛争地域の上空についても一言。ロシア、ウクライナ、イラン、シリア、イエメン、リビア、スーダン、アフガニスタンといった空域は、規制当局の勧告にもとづいて定期便がそもそも回避します。つまり乗客は危険な空域を突っ切るのではなく、その外側を回されるだけ。影響は「身の危険」ではなく「所要時間が延びる」という形で出ます。

日本の旅行者へ — ANAとJALの位置づけ

うれしいニュースから。ANA(全日空)は世界14位にランクインしています。日本の翼が世界の最上位グループにいることは、はっきりとした安心材料です。

そして JAL(日本航空) について。今回のこの特定のトップ25には名前がありませんが、順位に入らない=安全でない、では決してありません。 JAL は IOSA 認証を受けた航空会社であり、1985年の事故を機に築き上げてきた安全文化は世界的にもよく知られ、近年の実績も非常に堅実です。世界でもっとも安全な航空会社の一つと言って差し支えありません。実際、IOSA 監査を通過し、FAA カテゴリー1の国を拠点とし、EU リストに載っていない大手は、どれも極めて安全です。日本の大手2社は、その条件をいずれも満たしています。

LCC を使うなら、地域の安全な格安会社として HK Express、スクート、ジェットスター(ジェットスター・ジャパンを含む) などが安全部門の上位に挙がっています。安心して比較対象に入れて大丈夫です。

旅行者のための要点

  • **先進市場の主要航空会社なら、安全はほぼ心配無用。**価格・スケジュール・快適さで選んで構いません。
  • 小さな/見慣れない会社(とくに監督の弱い地域の国内線)を予約するときだけ、EU航空安全リストIOSA 登録の有無を確認する。
  • 難所空港へは、経験豊富な運航会社の便を、できれば好天の時間帯に。航空会社はもともとそう計画しています。
  • 機内では**シートベルトを締めたままに。**乱気流は機内負傷の最大の原因です。気になるなら、新しい機材や IOSA 登録会社を選ぶと安心感が増します。

最後に、安全についての差が会社間でごくわずかだからこそ、選ぶ基準は価格に置いてよい、という前向きな結論を。だからこそFlyozoでは、ここで挙げたトップ評価の航空会社をまたいで運賃の値下がりを検知してお知らせします。ANA でもエティハドでもシンガポール航空でも、どれも極めて安全な選択肢。あとは、いちばんコスパのいいタイミングを掴むだけです。

なお、ここで紹介したランキングや各リストは2026年時点のもので、定期的に更新されます。出典は AirlineRatings、IATA、欧州委員会、FAA、ICAO によります。具体的な便を決める前には、最新の情報を確認してください。

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